恋愛小説文庫 花模様

手のひらの幸せ 続・結婚白書Ⅱ 目次
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手のひらの幸せ 続・結婚白書Ⅱ 目次

                            コラージュ kuraminn俺より8歳年上の嫁さんは 仕事のポジションも収入もあっちの方が上「工藤 奥さんの尻に敷かれないように しっかり仕事をして 早く出世しろよ」こんな勝手なことを言う先輩もいるそんなこと どうでもいいことさ……【恋する理由】 につづく物語― 結婚しました ―  『1』   『2』   『3』   『4』― 気になるアイツ ― 『1』   ...
【手のひらの幸せ】  ― 結婚しました ― 1
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【手のひらの幸せ】 ― 結婚しました ― 1

                       結婚生活が こんなにも落ちつくものだとは思わなかった家に帰って一緒に食事をする話が尽きない日もあれば 黙って同じ部屋にいて どこかで相手の存在を感じるそんな空間が とても心地よかったお互いに仕事を持っているから 先に帰った方が食事の支度をすると決めていた今日は俺が早く帰って来たから 冷蔵庫にある材料で夕食を作る円華 最近胃が痛いと言ってたなぁ……...
【手のひらの幸せ】  ― 結婚しました ― 2
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【手のひらの幸せ】 ― 結婚しました ― 2

翌朝 円華を起こさないように 静かにベッドを抜け出した「土日の家事は私がやるから」家事を分担すると決めたのに どこか引け目があるのか円華は 休日の家事を一人で引き受けていた今日は特別 これくらい手伝っても文句を言わないだろう洗濯をして 干して コーヒー片手に ゆっくり新聞を読む時計を見ると10時過ぎ 円華が起きてくる気配はない心配になって寝室を覗くと ちょうど目を覚ました彼女と視線があった「おはよ...
【手のひらの幸せ】  ― 結婚しました ― 3
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【手のひらの幸せ】 ― 結婚しました ― 3

破顔一笑ってのは こんな顔だろう男の顔は 大げさでなく玲子さんとの再会を素直に喜ぶ顔だった「5年ぶりかなぁ いや もう少したってるかもしれませんね お子さん達大きくなったでしょう」「え えぇ 若林さんも元気そうね」そばに来た男に軽く頭を下げ 何か言いたげな玲子さんを残して 俺はその場を立ち去った廊下を曲がる際に チラッと男に視線を走らせる転勤したはずの男が どうしてここにいるんだ出張か? ハッ!!...
【手のひらの幸せ】  ― 結婚しました ― 4
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【手のひらの幸せ】 ― 結婚しました ― 4

部屋に入り 課長席に近づくほどに多数の視線が飛んできた俺はそんなに怖い顔をしいていたのだろうか 決して愛想の良い方ではないが 恐れられるほどの顔でもないと思っていたのだがそのときの俺は 殴り込みにでも行くような顔だったと 後輩があとで教えてくれた「工藤君 広川さんのことは 本当に申し訳ない彼女に頼りすぎていた 忙しいとわかっていたんだが 広川さんの頑張りに甘えていた」円華の休暇届けと 病状の説明に...
【手のひらの幸せ】  ― 気になるアイツ ― 1
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【手のひらの幸せ】 ― 気になるアイツ ― 1

今週は家に向かう足取りが軽いマンションの玄関ホールで これから塾へ行くという中学生に 頑張れよと声をかけエレベーターの中で会ったご近所さんに 愛想よく挨拶をする玄関ドアを開けると ”おかえりなさい” と エプロン姿の円華が笑顔で迎えてくれるのだすでに夕食の準備が出来ていて ご飯? それともお風呂?どこかで聞いたドラマの台詞のような会話が交わされるキッチンに立つ円華の後ろから肩を抱いて 今日のメシは何...
【手のひらの幸せ】  ― 気になるアイツ ― 2
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【手のひらの幸せ】 ― 気になるアイツ ― 2

まだ暗いうちにマンションを出発し 対向車のほとんどいない海岸線をひた走る助手席には 釣り人になりきった円華が楽しそうな顔をして座っており真夜中に起きだして作ったという朝食と昼食の入ったバスケットが 後部座席でガタガタいっていた「本当に一緒に釣る気?」「そうよ! だからこうして服も揃えたんじゃない いっぱい釣って今夜のおかずにするの」「ヤル気満々だねぇ 最初っから大漁を狙うところが円華らしいや」「い...
【手のひらの幸せ】  ― 気になるアイツ ― 3
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【手のひらの幸せ】 ― 気になるアイツ ― 3

円華から 会社の後輩の出産祝いに一緒に行って欲しいと言われ 秋の一日 ドライブを兼ねて遠出をした初対面の俺が一緒でいいのかと思ったが 彼女がどうしても俺に会いたいと言っているとかでなかば強引に連れて行かれた「どうしても要に会いたかったんだって 私がどんな人と結婚したのか すごく興味があるらしいわよ」「ふぅ~ん 人のダンナがそんなに気になるのかなぁ」「8歳も年下ってのが とっても気になるみたい 彼女...
【手のひらの幸せ】  ― 愛すべきは…… ― 1
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【手のひらの幸せ】 ― 愛すべきは…… ― 1

嬉しい報告を持って女房の実家に向かうお義父さんの喜びは予想以上で 今夜は飲み明かすのかと覚悟していたが 俺を相手に酔いも早く 嬉しそうな顔をしながら居間で早々に寝てしまった「お父さん 待ちに待った知らせだったもの 要さん つき合わせてごめんなさいね」「いいえ 俺も嬉しいですから」真っ赤な顔をして寝てしまったお義父さんを抱え 寝室に運ぶ俺に お義母さんが申し訳なさそうに謝る飲みながら よくぞやったと...