K,Nadeshiko

恋愛小説文庫 花模様

月・日別2008年06月 1/1

【風のプリズム】 陸の章 遠い記憶

今年の遺跡めぐりはどこに行こうか メンバーの意見が分かれていた毎年夏休みに国内の遺跡をたずね 合宿の名のもとに安い宿に泊まり 一晩中語り明かすのだが去年おととしと お世辞にも綺麗だと言えない場所が合宿所だったことに 女子から不満が出てきたていた「今年は私達が決めていいんだから せめて泊まる所は快適な場所にしてね三年続けて あんなむさくるしい部屋に寝るなんて いやだから」「寝なきゃいいさ どうせ夜通...

  •  0
  •  0

【花の降る頃】 29 ― 安らぎの場所 ― 

【花の降る頃】 29 ― 安らぎの場所 ―  仕事の手を止め窓に目をやると 生い茂った青葉が わさわさと揺れるのが見えた。大きく広げた枝葉は 初夏を思わせる日差しから 歩く人の日よけになっていた。重なり合う枝を見ながら 圭吾は複雑な様相を見せ始めた今回のトラブルを どのように探っていこうかと 腕を組みながら思案中だった。田所製作所が松井工業に圧力をかけ 圭吾の会社へ妨害工作をしているのだとしたら理由が必要...

  •  20
  •  0

【風のプリズム】 陸の章 思い出の地(1)

合宿中の中日 僕は仲間と別行動を取っていた久しぶりに見る風景は コンビニの数が増え 新しい道ができたほかは たいして変わってはいないようだ母親の離婚のゴタゴタを避けたいこともあり 誘われるまま朋代さんの実家があるこの地に初めて来たのは5年前 親のことなど まるで感心がないように振る舞い 義理の従兄弟達と遊びまわった2週間だったここには楽しい思い出が多い 海釣りの楽しさを教えてもらったのもその時だっ...

  •  2
  •  0

【風のプリズム】 陸の章 思い出の地(2)

遺跡近くの高台にある合宿所から少し歩くと 見晴らしのいい展望台がある公共の施設のためか エアコンのあまり効かない宿舎を抜け出して 夜風に吹かれながら展望台への道を歩いた遠くに湾岸線の明かりが点在しているのが見え 都会の夜景とは違い華やかさはないが充分に綺麗で深く息を吸い込むと 森林の中の木々の香りが微かにした桐原の祖父母は いつも僕のことを気遣ってくれていた会ったのは5年ぶりだったが 父を通して毎...

  •  4
  •  0

【風のプリズム】 陸の章 秘密の扉(1)

合宿の最終日 新幹線の出発時刻まで繁華街へ出かけるというサークルの仲間と別れ僕は実咲と一緒に また桐原の家を訪ねていた連れがいるとは伝えていたが まさか彼女だとは思っていなかったらしく 高志おじさんに散々冷やかされたがそんな中でも実咲は 祖父母やおじさんたちと気さくにしゃべり 話題は僕の小さい頃の話に及んで おおいに焦った「賢吾君ってね 小さい頃から静かな子だったけど ときどき羽目をはずすのよ 私...

  •  0
  •  0

【風のプリズム】 陸の章 秘密の扉(2)

秋になり 僕らはそれぞれ忙しいときを過ごしていた少しずつ就職活動も具体化しているようで みな顔つきが真剣になっている僕もさすがに のんびりとしてはいられなくなり それまで漠然と考えていたが 夏の経験でやはり好きな道に進もうと決めた早くから目標を定めていた実咲は 実習に追われながら 自分の道を着実に進んでいるようだ夏の合宿後 言おうか言うまいかずい分悩んだが 実咲には話しておくべきだと思い僕の家庭の...

  •  6
  •  0

小さなエコ *^-^*

                       このカード 最近お世話になってます^^最近 「ノーレジ袋運動」 が叫ばれていますね。買い物に手ぶらで行くことに慣れていたせいか、なかなか 「エコバッグ」 を持参する習慣が身につかなくて、ついついレジ袋のお世話になってしまって……先日、授業で 「地球温暖化」 について習ってきた娘からこんな質問が!「家電の元のスイッチを消してる?」「消してない……」「米のとぎ...

  •  10
  •  0

占いじゃないけれど……B型の特徴を追記しました^^(6/26)

・『お知らせ』CSに【風のプリズム】 8話をUPしました。どうぞ見に行ってね~!http://club.brokore.com/user/freeboard/freeboard_view.jsp?circleid=a0100593&instid=24&serial=85&no=85記事の更新は明日~♪ (・・の予定 笑)以前、ブログ記事で、”血液型占いは信じません!” と、きっぱり言い切った私ですが……ちょっと面白い本を見つけたので、ご紹介しますね (^^ゞ『A型自分の説明書♪』B型が最初に出て、かなり好評だっ...

  •  8
  •  0

【風のプリズム】 陸の章 大事なこと(1)

僕を呼ぶ声に振り返ると 葉月らしい姿がぼんやりと見えたような気がした……お兄ちゃん お兄ちゃん……何度も何度も呼んでくれるのに 思うように声がでず返事が出来なかった駆け寄って行こうとするが 足が前にでない苛立って叫んだつもりだったが やはり声になってはいなかったふと手のひらに温かさを感じたまるで手を繋いでいるような心地良さだ時には甲をなで 両手で包み込んでくれる手を握り返したいのに どうしても出来ない...

  •  0
  •  0

【風のプリズム】 陸の章 大事なこと(2)

退院の日 一旦東京に戻った母もやってきて 父と僕を交えて今後の話し合いがもたれた「大学はしばらく休んで家に戻ってらっしゃい 頭も東京の病院でもう一度検査した方がいいわ」「休めないよ ここで単位を落としたら卒業できない 頭は大丈夫だって先生も言ってた」「でもね もしもってことがあるでしょう 一年ぐらい留年してもいいじゃない 体のほうが大事なのよ」「やだよ 就活だってあるんだ 戻らない」僕と母の平行線...

  •  8
  •  0

【花の降る頃】 30 ― 紫陽花の横顔 ― 前編

【花の降る頃】 30 ― 紫陽花の横顔 ― 前編小さな煎茶器は真澄の手に馴染むのに時間が掛かった。掌(たなごころ)を平らにすると茶碗が転びそうになり 指を曲げてしまうと所作の美しさが乱れてしまう。稽古のたびにグラつく茶碗に苦労していると それを見た圭吾がコツを教えてくれた。「掌に小さく窪みを作って そこに茶碗の糸尻を安定させて置くといいよ ただし手首は必要以上に曲げないこと少しだけ角度をつけることで 茶碗...

  •  0
  •  0

【花の降る頃】 30 ― 紫陽花の横顔 ― 後編

【花の降る頃】 30 ― 紫陽花の横顔 ― 後編生産工場の出張に同行している圭吾は 隣りに座っている山崎部長に いつ話を切り出そうか考えていた。圭吾や真帆が考えるように 萌恵への屈折した思いが圭吾に向けられ 圭吾の会社へ不利になるように仕向けたのが 田所誠司の仕業だとしても社長の息子とは言え 個人的な理由でできることではなかった。田所製作所と松井工業の関係は 松井社長が田所製作所から独立したこともあり こ...

  •  20
  •  0